以下の項目にあてはまりませんか?
- 過去にピロリ菌の除菌治療を受けていた
- 上下水道が完備されていない衛生環境下で育った
- 慢性胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍と診断された
- 家族がピロリ菌に感染したことがある
上記の項目に心当たりのある方は要注意です。ピロリ菌が感染すると胃痛や胃もたれ、食欲不振などの症状が現れます。このような症状をお持ちの方は早めに受診しましょう。また、症状がない場合でも上記の項目に当てはまる方は要注意です。当院では消化器専門外来にてピロリ菌の検査と除菌治療を行なっておりますので、少しでも不安のある方は是非当院にご来院下さい。
ピロリ菌とは
ピロリ菌とは胃の粘膜に生息するらせん形の細菌です。ピロリ菌にはアンモニアを分解するウレアーゼという酵素があるため、強酸性の胃の中でも生息することができます。ピロリ菌の感染経路は主に以下の2つであると考えられています。
①衛生環境の悪さ
上下水道が整備されていない衛生環境でピロリ菌に汚染された井戸水を飲んでしまっていたことなどが原因となります。 日本では、上下水道が普及し、生活環境が向上していることもあり、「衛生環境の悪さ」が原因のピロリ菌の感染者数は減少しています。
②経口感染
ピロリ菌は特に免疫力が低く、胃酸の生産量が少ない5-6歳以下の幼少期はに感染し易いと言われています。ピロリ菌に感染している親からの食べ物の口移しが原因で感染する場合があります。同じ食器を使用したり、コップの回し飲みも感染する原因となります。
ピロリ菌感染に関わる病気
ピロリ菌の検査
ピロリ菌の検査は以下のように「内視鏡を使った検査」「内視鏡を使わない検査」の2つに分けられます。
内視鏡を使った検査
培養法
胃から組織を採取し、ピロリ菌の発育環境下で5~7日培養し、増殖するかを観察する検査です。
迅速ウレアーゼ試験
ピロリ菌はウレアーゼという酵素を分泌します。その働きで作り出されるアンモニアの量から感染の有無を調べる検査です。すぐに簡単に結果を得ることができる検査です。
組織鏡検法
胃の粘膜を染色し、顕微鏡でピロリ菌の有無を調べる検査です。
内視鏡を使わない検査
便中抗体検査
便中のピロリ菌の抗原の有無を調べる検査です。定性検査と精密検査の2つの種類があります。
尿素呼気試験
ピロリ菌の分泌するウレアーゼという酵素を利用した検査です。診断薬を服用する前後の呼気を集めて診断します。負担が少なく、精度の高い検査で、ピロリ菌検査の主流となっています。
抗体測定
尿中や血液にピロリ菌に感染した時の抗体がないかを調べる検査です。
ピロリ菌の除菌治療とは
検査の結果、ピロリ菌に感染していると診断された場合はピロリ菌の除菌治療を行います。 ピロリ菌の除菌治療では「胃酸の分泌を抑える薬」と「抗菌薬」を1週間服用します。初回治療での成功率は約90%と言われています。初回治療後、除菌判定を行い、除菌が成功したかの確認をします。1回目の除菌治療で除菌に失敗した場合は、薬の種類を変更し再度服薬治療を行います。2回目の除菌治療で99%除菌ができると言われています。除菌後は胃の粘膜が綺麗になり、炎症をおこしやすい状態になります。定期的に内視鏡検査を受け、経過観察を行っていきましょう。
ピロリ菌感染の疑いがある方は当院へ
当院では消化器専門外来を行っています。胃痛や胃もたれなどの症状や、時には症状がない場合でもピロリ菌に感染し易い環境下にあったと考えられる場合は早めに受診し、治療を行いましょう。気づかず放置していると胃がんなどの危険性の高い病気に繋がる場合があります。少しでも不安のある方は、是非当院へご相談下さい。