心窩部痛(胃痛)

心窩部痛(胃痛)とは

胃痛心窩部痛(胃痛)とは一般的にみぞおちの辺りに生じる痛みのことを言います。よく胃痛と表現されますが、必ずしも胃の疾患によって引き起るわけではありません。食道や、胃、十二指腸などの上腹部の管腔臓器に起因することが多いですが、肝臓、胆のう、膵臓などの実質臓器、虫垂炎や胸膜疾患、心疾患で引き起こされることもあります。[t1]

心窩部痛(胃痛)で疑われる病気

急性に心窩部痛(胃痛)を引き起こす病気には、逆流性食道炎、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、機能性ディスペプシア、胆石胆管炎、尿路結石症などが挙げられます。

逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流し、胸やけや心窩部痛(胃痛)の症状が現れます。他にも、呑酸(酸っぱい液体が上がってくる感じがすること)などの不快な症状を感じたりする疾患です

胃炎

胃炎とは、胃の粘膜に炎症が起こっている状態のことを示します。

①びらん性

びらん性の胃炎では、胃の粘膜の炎症による粘膜の欠損、逸脱が起こります。典型的には急激に発生しますが時間かけゆっくりと発生することもあります。

②非びらん性

胃の粘膜が萎縮したり、胃の組織が他の種類の腸管組織に変化するなどの胃の粘膜の変化が見られます。[t2]

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

潰瘍とはびらんよりも深く粘膜が欠損した状態で、潰瘍の存在する場所により胃潰瘍、十二指腸潰瘍などと診断されます。粘液、血流、重炭酸バリアなどの防御因子と胃酸やペプシンなどの攻撃因子のバランスが崩れることによって発症すると言われています。胃潰瘍は食後、十二指腸潰瘍は食前に痛むという特徴がありますが、必ずしもそうでない場合もあります。[t3]

機能性ディスペプシア

症状の原因となる器質的な変化がないにもかかわらず、慢性的に胸やけ、心窩部痛(胃痛)や胃もたれなどを自覚します。

胆石胆管炎

胆汁は、肝臓で生成され、胆管を通り、胆のう内に貯留され、膵臓の頭部で膵管と合流し、十二指腸に排泄されます。この通り道に石が詰まり胆汁が停滞することで、胆管が拡張したり炎症を起こして痛みの原因となります。典型的には右季肋部(みぞおちのやや右側)の痛みと言われますが、心窩部痛(胃痛)を訴えて来院される方も多く見受けられます。化膿性胆管炎になるとショックを引き起こし生命の危険にさらされることもあるため、注意が必要です。

尿路結石症

血液内の余計な水分や老廃物は、左右の腎臓を通過するときに濾過されて尿となります。尿は腎臓から尿管を通って、一時的に膀胱に貯留され、尿道から体外に排泄されます。腎臓にできた結石が尿管内に詰まると、尿管が拡張して痛みの原因となります。典型的には石のある方の腎臓側で起こるため、左右どちらかの腰背部痛と言われますが、心窩部痛(胃痛)を訴えて来院される方も多く見受けられます。

心窩部痛(胃痛)を認める方への診察

問診、触診、聴診を行い、医師の判断で必要に応じて以下のような検査を行います。

  • 血液検査・尿検査
  • 腹部レントゲン検査
  • 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)
    口や鼻孔からスコープを挿入し、食道、胃、十二指腸の病変を調べる検査です。病変部を直接視認、観察することができ、病変部より組織を採取して顕微鏡で評価(病理検査)してもらうことも可能です。精度の高い有効な検査方法といえます。


  • 腹部超音波検査(エコー)
    超音波を腹部にあて、腹腔内を観察する検査です。
    肝臓、胆のう、すい臓、腎臓、脾臓などの実質臓器の描出に適しています。

当院の内視鏡検査について

当院での上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)について

上部消化管内視鏡検査

当院では口から挿入する上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)のみ行っております。「スコープを口から挿入されるのが辛そう」「一度検査を受けたときに嗚咽してしまい、苦手」といったネガティブなイメージを持たれている方が多いかもしれません。こういった抵抗感をお持ちの方にも、十分な局所麻酔、鎮痛剤、鎮静剤、お腹にたまりにくいCO2を使用しての検査を行っています。
検査は内視鏡専門医が対応し、初めての方も、一度検査を受けて苦手意識を持っている方も安心して検査を受けて頂けるよう心がけています。

ご相談下さい

新橋虎ノ門健康クリニック心窩部痛(胃痛)は身体の異常を知らせる重要なサインです。
症状がございましたら当院までご相談下さい。